2015年1月18日日曜日

シェイクスピアのThe Winter's Tale


William Shakespeare’s The Winter’s Tale Retold by Bruce Coville & Pictures by LeUyen Pham
Dial Books, ISBN: 978-0-8037-2709-0

シェイクスピアの晩年の作の一つ。自らの妻であるお后が、自分の友人と不倫を犯しているのではないかという、疑いを持ち、嫉妬から、妻、娘、友人を失った王が、後に、失ったすべての者達を、連れ戻すことができた、シェイクスピアの作には、珍しくということなのですが、悲劇で幕をとじることがなかった、romance物語。魔法や妖精の活躍はないものの、御伽噺のような物語です。

今まで読んだシェイクスピアの悲劇では、英雄が、野望によって信頼を裏切る者にもなりえたり、策略により、自己の破滅を招いたりと、一人の人間が持ちえる善と悪、幸福と不幸などの人間の複雑さを描いていましたが、The Winter’s Taleは、同じように、人間の深い部分に触れながら、破滅ではなく、自己の内なる変化によって、闇から光に向かう覚醒の物語でした。こちらのWilliam Shakespeare’s The Winter’s Tale は、高学年の児童向けにとても読みやすく書き直されていますが、大人にも一読の価値ありの物語です。


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