2014年4月4日金曜日

英語版”アンネの日記”



洋書空間Michibookさん企画の、“アンネとお茶を”に因んで、
小学校高学年以来、何十年かぶりに、皆藤幸蔵訳、“アンネの日記”を読み、
たとえば、アンネの、男友達への返事の言葉が、“ええいいわ、待っていてよ、さようなら”と訳されていて、これが、もし、“うん、わかった、じゃ、待ってるね、バイバイ”というように訳されていたら、アンネに対するイメージも違ってくるかな?
13歳から15歳の女の子だったアンネは、どちらの言葉の方がピッタリくる女の子だったのかな?とか、思い、原書(オランダ語)が、読めないのが、すごく残念だったのですが、英語訳では、どんな感じなのかなと思い、
“The Diary of A Young Girl: The Definitive Edition”をまず読んで、
次に、”The Diary of A Young Girl with an introduction by Eleanor Roosevelt”を読んでみました。

“アンネの日記”には、何種類かあって、
1942年6月12日から1944年8月1日まで、アンネフランクが、自分のためだけに書いた、“アンネの日記”の原書の他に、
1944年に、オランダの文部科学大臣であったGerrit Bolkesteinの、戦争終結後には、ナチ占領下における、オランダ国民の苦難を証言するようなもの、特に、手紙や日記などを集めて一般に公開したいというラジオ放送を聴き、戦争終結後、自分の日記を元に、本を出版できればと、それまで、書き留めていた日記を書き直したり、記憶を書き加えたり、不要な部分を省略したりと、アンネフランクにより、編集された“アンネの日記”があり、
“The Diary of A Young Girl: The Definitive Edition”は、
上記の2種類の版を合わせた内容に、後に、新たに発見されたページが加えられ、一部、日付の修正が加えられた新しい版ということで、内容が、30%増になっているということです。
本のカテゴリーとしては、Juvenile Biographyと、小学校高学年から、YAにはいる前くらいの子供向けに訳された版なので、今の子供に馴染みやすい英語と文章になっています。
内容が30%増というのは、日記の始まりの、アンネの13歳の誕生日に、受け取ったプレゼントの内容が、ずいぶんと増えていることから、すでに見受けられられます。

そして、アメリカの歴代大統領夫人であった、Mrs. Eleanor Rooseveltによる、前書き付の”The Diary of A Young Girl”ですが、1947年にオランダで初版となった、”Het Achterbuis”の英訳本ということで、私の手持ちの日本語訳の“アンネの日記”は、こちらが元かなと思われる、時代を感じさせる、文章と英単語の選びとなっています。本のカテゴリーは、大人向けのbiographyとなっています。

英語訳でも、古いものと、新しいものでは、選ばれている単語とか、文章から醸し出されるtoneで、ずいぶんと、雰囲気が違うものとなっているのですが、
私としては、古い英語版のclassyな文章の方が、ローマやギリシャの神話や、ヨーロッパの王室の系譜に興味があったり、英語やフランス語を勉強したり、裕福な家庭に育ち、仕立てのよい服を身に着けているアンネフランクには、読後、しっくりくるような感じがしました。



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