2014年4月15日火曜日

アンネフランクのタルトの味わい


アンネフランク著“Anne Frank’s Tales from The Secret Annex”の短編には、自分の隣にいそうな、魅力的な女の子の主人公がでてきますが、こちらの“Reik”( Reik-女の子の名前です。何て、発音するんでしょうね?)も、そんな短編の一つです。
物語は、Reikともう一人の女の子が、おこずかいを持って、どのお菓子を買おうかと、ウキウキはしゃぎながら、ベーカリーへ向かう途中、”私“は、彼女達の後ろを歩いていて、すべての会話が聞こえてきたという場面から始まりますが、Reikともう一人の女の子は、タルトを2つ購入し、お店をでると、もう一軒のベーカリーの窓の前に、小さな女の子が、物欲しそうに、立っているところに出くわします。

Reikは、"Oh my, are you that hungry? Would you like to have my tart?”と、小さな女の子が、お腹がすいていることを知ると、自分のタルトをあげようか?というのですが、
Reikの友達は、ばかなことを言わないで、私みたいに、すぐ食べちゃいなさいよ、もしそのタルトをあげちゃったら、どんな味なのか、味わうことさえないじゃないと、Reikの申し出に異を唱えます。
Reikは、彼女の友達には応えず、しばらくためらった後、やさしい口調で、私には楽しみにしている夕食があるから、と、タルトを小さな女の子に差し出します。

そして、物語は、ここで終わりかと思いきや、私が、読み進んで、えっ?と思ったのは、次の場面、
Reikからもらったタルトを、おいしそうに食べている小さな女の子が、
“Would you like a bite, Miss? Someone just gave to me.”
と、通りがかりの、”私“に、おすそ分けを申し出たという、小さな女の子の素朴なsharingの申し出なのですが、“ありがとう”と、小さな女の子に言って、笑顔を浮かべながら、立ち去ったという、”私“と同じように、私も、こんな小さな女の子に出会ったら、笑顔が浮かびそうだなと思いました。今度、タルトを食べる時には、この物語を思い出して、すごく幸せな気持ちになりそうな気がします。

そして、最後に、物語の”私“からの質問です。
“あなたは、あのタルトを、一番楽しんだのは、誰だと思いますか? Reikですか?それとも、Reikの友達ですか?それとも、小さな女のだと思いますか?”

物語の”私“は、Reikに投票!です。



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