2012年3月10日土曜日

村上春樹氏の評価 in USA



洋書雑誌:Bookmarks, January and February, 2012 Issue
RE: Haruki Murakami

洋書雑誌、Bookmarksには、for everyone who hasn’t read everythingというサブタイトルがついているのですが、新しい本の紹介や、賞を受賞した本、ペーパーブック化された本、読者によるお勧めの本、本のグループの紹介などが掲載されていて、どんな本があるのかな?というような時に、とても、便利な雑誌です。ページの構成も、とても見やすいです。
アメリカでも、日本の作家、村上春樹氏が、とても話題ですが、こちらのBookmarksの、2012年1月・2月合併号に、村上春樹氏の特集記事が掲載されていました。記事を書かれたのは、Patrick Smithという、アメリカ人の方です。第1ページ目のほとんどいっぱいが、村上春樹氏の写真だったので、インタビュー記事かな?と思ったのですが、インタビューではなく、Patrick Smith氏が、村上春樹氏の1949年生まれから始まる経歴を紹介している文章です。まず、村上春樹氏は、国際的な文学のスーパースターという書き出しで始まるのですけど、ものすごくおもしろい人気小説を書き上げる村上春樹氏の小説には、読者を、驚かせたり、悩ませたり、困惑させたり、喜ばせたりという、なんでもない普通のこととすばらしいことが、一緒になっている、と、大変高く評価しています。そして、1949年神戸生まれで、20代の後半に、東京ジャズクラブに勤務後、地元の野球場に腰掛けていた時に、小説が書けるという考えがわいて、それが、1979年の、Hear the Wind Singにつながったというように、村上氏の経歴の紹介があります。初期の作品としてA Wild Sheep Chase(1989), Hard-Boiled Wonderland and the End of the World(1985; translated 1991), The Wind-up Bird Chronicle(1995; translated 1997)、
短編小説の解説、
回顧録として、What I Talk About When I Talk About Running(2008),
後期の作品として、Kafka on the Shore(2002), After Dark(2004)
が、紹介されています。
そして、こちらの特集記事とは別に、New Books Guideのコーナーで、村上氏の1Q84についての、物語の紹介と、Milwaukee Journal Sentinel, San Francisco Chronicle, Washington Post, Kansas City Star, Los Angeles Times, Wall Street Journal, NY Times Book Review, New York Timesによる書評が載せられています。全体としての評価点が、5段階中3.5になっているのですが、ほとんどの評価が、4.5か4と高く、big and brilliantな本の中に没頭して、新しい次元を発見する、簡略な文章や設定が、雪だるま式に意味の深い瞑想へと誘っていく素晴らしい作品、村上氏は、いろいろな才能に恵まれているけれど、そのなかでも、特に、サスペンス風の物語の語り口が素晴らしい、などと、賞賛されています。反対に、ニューヨークでは、なぜか、評価が低く、New York Timesは、読むのは時間の無駄という、1という、評価なのですが、多くの部分が、意味がはっきりしないまま、終わってしまうという理由で、NY Times Book Reviewの2という低い評価は、心理的に、納得できず、道徳的にも、同意できないという理由が述べられています。
アメリカでの評価も、大きく分かれるところのようですね。
私は、是非、日本語で読んでみたいなと思っています。

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