2012年1月6日金曜日

ブッククラブ洋書:The Postmistress


洋書:The Postmistress
著者:Sarah Blake

今年の抱負の一つ:Book Clubに参加すること。

日本でも、Book Clubのようなものは、あるのでしょうか?何人かのグループで、同じ本を宿題の形で読み、定期的に集まって、その本について意見を交換するというものですが、アメリカでは、人気があって、図書館で主催していたり、個人でグループを作っていたりと、形はさまざまです。集まっている方によって、選ばれる本が色々だったり、グループの面々によって、意見の交換の仕方も色々だったりで、自分に合ったBook Clubがみつかるといいなと思っていたのですけど、明日、集まりがあるから、来る?と誘っていただいて、明日と言われても、本を前もって読む時間もないし。。。とか、考えず、とりあえず、参加させていただいて、ものすごく、楽しかったのです!こんなに、楽しいと思えるグループの方に、ひょっこり出会って、私、とてもラッキーでした。そして、こちらのBook Clubの今年初めてのミーテイングで、意見が交換された本が、著者Sarah Blakeによる、The Postmistressでした。私は、こちらの本について、全く知識なしで出かけていったので、まず、ミーテイングの始まりで、第二次世界大戦に関する小説という設定の説明を聞いて、小説の歴史的背景について、補充的な説明があったり、日本による真珠湾攻撃について、意見を交換している時には、“もしかして、私、場違いだったりする?”とか、思ったのですけど、居心地の悪さなど、かけらも感じない展開となりました。日本の方には、ピンとこないかもしれませんけど、アメリカで生活していて、意外に思うことは、未だに、“真珠湾攻撃を忘れるな”というような、第二次世界大戦のなごりがあることです。私の場合は、たとえば、広島の原爆についての小説を読んで意見を交換している日本人の中に、一人、アメリカ人が混じっている、みたいな感じでしょうか。第二次世界大戦の意見交換の中心は、こちらの小説に関係のある、戦時中の軍による、放送機関に対する情報の統制ということでした。
私も、こちらの本を、これから、読むところなので、本の紹介ではなく、Book Clubの意見の交換の様子をご紹介したいと思います。
まず、こちらの本について、出版社が、Kathryn Stockettによる、The Helpと類似した本であると述べていることと、New York Timesの書評については、皆さん、ピンとこないということでした。20数名のグループだったのですが、読後の採点と個人の意見を述べる時間もあって、よかったという方と、全然好きになれなかったという方の両方で、5段階評価のうち、1から4まで、3という方が一番多かったです。
そして、意見交換の要点は、(1)登場人物には、実在性があったか?(2)好きな登場人物とその理由。ここでおもしろいなと思ったのは、その人物の人柄が好きだったというのではなく、あくまで、そういった人物が実際にいると信じられるかという点に重点が置かれていた点です。そして、いまいちだった登場人物については、実在性についての、背景のエピソードや行動の理由付けが不足していたというような意見が述べられました。(3)登場人物がとった行動は、信憑性があったか?(4)登場人物の道徳観に同意するか?(5)中心となるテーマは?(6)エンデイング、物語の終わり方について。こちらの物語は、ハッピーエンデイングで幕を閉じないということなのですが、その終わり方が、しっくりとこないという方が、何人かいらっしゃいました。著者Sarah Blakeが、インタビューで、エンデイングについて、punishment(罰)ということを表したと言っていたということなのですが、なぜ、punishment(罰)が必要なのか、納得できないという意見も交換されました。そして、(7)この本から、何か、新しい興味をもったことはあるか?で、意見交換を〆ました。
こちらの本の一番のお勧めは、詩的な表現やたとえという、文章の美しさということです。

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