2012年1月5日木曜日

洋書:ダイアナロス伝記


洋書:Diana Ross: A Biography
著者:J.Randy Taraborelli

何年も前に、映画館の上演前の待ち時間のスクリーンに、芸能界の誰かの一言というようなものが、入れ替わり映し出されていて、そのなかの一つに、“divaと呼ばれるようになるには、大変な努力が必要なんだ”というような、ダイアナロスの言葉がありました。

こちらの、ダイアナロスの歴史を語る本、Diana Ross: A Biographyには、モータウンからデビューする以前からの、ダイアナロスの歴史が描かれていますが、まず、ダイアナロスの話の前に、こちらの著者J.Randy Taraborelliですが、彼は、ダイアナロスが、ソロになる前に活躍していたシュープリームズの初めてのインターナショナルファンクラブを、11歳にして結成したという、長年にわたり、ダイアナロスを観続けてきた人です。マイケルジャクソンやマドンナのBiography(伝記)も、出版しています。
そして、こちらの本で映し出されているダイアナロスは、映画ドリームガールズの中で、Beyonce Knowles演じるダイアナロスをもじったようなDeenaとは違い、高校生の時のダイアナロスは、同級生が、she was nobody but acted like somebodyと回顧するような、そして、シュープリームズ時代には、他の二人のメンバーには、有無を言わせず、自分が主役、というような、自分はスーパースターになるということに、疑いを持たず、そんな風に振舞って、人に、自分のことを、ダイアナではなく、”Miss Ross”と呼ぶことを求め、才能と野心と努力をひっくるめて、本当に、スターダムに突き進んだ女性として描かれています。
映画ドリームガールズの物語は、シュープリームズのエピソードとは、違っていて、映画ドリームガールズでは、Jennifer Hudson演じるEffieは、リードシンガーだったところ、容姿の美しいDeenaに、その座を譲り、恋人だったレコード会社の創立者の子供を身ごもった後に、Deenaに、恋人も取られてしまうというお話ですが、実際には、最初から、ダイアナロスが、モータウンの創立者の恋人で、リードシンガーとして、特別に取り扱われていて、かれの子供もみごもったようです。モータウンの創立者、Berry Gordyは、ダイアナロス以外にも、ジャクソン5など、数々の黒人ミュージシャンをスターとして、世に送り出した人ですが、ダイアナロスに関しておもしろいなと思ったのは、ダイアナロスは、高校では、鼻声といわれて、歌を歌っても、注目されることがなかったようなのですが、Berry Gordyは、ダイアナロスの歌声を聴いた時に、“ゴスペルシンガーのように歌える黒人なら、その辺にいくらでもいる”と、このダイアナロスの歌声を、特別なものとして、注目したようです。このころは、黒人の音楽は、黒人だけのものという感じで、ダイアナロスなら、cross over、白人の観客へも、届くことができると。日本にいると、こんなこと、ピンとこないですけど、白人の方が、黒人の方の音楽やパフォーマンスを受け入れるようになるには、ずいぶんと、時間がかかったようで、こちらの本からではなくて、ちょっと、脱線してしまいますけど、ダイアナロスより前の、黒人の大スター、リナホーンなどは、黒人は映画の主役を演じることはできないと、歌声だけが使われて、映画では、白人の女優がパクパクと口だけを動かす状態で、映画が作られたということです。そんなことも考えると、ダイアナロスが、自分は、スーパースターになると確信して、一流になるための努力を重ねて、一流として舞台に立ち、白人へのcross overだけではなく、世界中に羽ばたいていったことに、才能と努力だけではなく、人のルールは、自分には通用しないという、自分を信じる力の強さを見る思いがします。

ダイアナロスの言葉。
Failure was impossible because I made no space to consider anything negative. I could only visualize success.

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